top of page

13F/OLDNEWS HEADLINE

vol.1_2021.10 artwork 遠藤拓人
NEW YORK「ニューヨーク薬味愛連盟」 野中ともそ 作家/LA ALBERCA 「緘黙。そして新生活」さとうひろみ 通訳・翻訳者 /TOKYO「難局の名人現る」今村​亮 編集者・クリエイティブディレクター/WAIHEKE ISLAND「南半球。オリーブ色卵事件』芹沢絵美 ヴァイングローワー/SEOUL「人生漢
江橋めぐり」ohsummer エンターテーメント会社勤務/REDWOOD CITY「聖地での挑戦」Nozzy/#1 OLD DREAM「ストーブになった彼」遠藤拓人 Illustrator

深夜。匿名の配達人になりすまし、知人の眠る家のドアの隙間に、四折りにした紙をそっと忍び込ませ去っていく。そんな妄想をもとに13Fは動き始めた。嬉しいこと、悲しいこと、些細ながらもハプニングを束ねたものが、かわり映えのない日常の正体であることを記者たちは覚えていた。たしかに、世界は今日もかわり映えなく出来事であふれている。今は、いろんな場所に出かけ、この紙片を置き忘れ立ち去る妄想を抱いている。Editor in Chief  S.O

世界中の生活者が記者となって私的エポックメイキングを伝える季刊紙です。ささやかであり、なぜか心の隅で消去されなかった想い。多くの人にとって、それがとるに足らない情報でも、地図を越えた〈わたし〉と、それを読んでいる〈わたし〉は、どこか繋がっている。忙しさに埋もれ、そのまま自然消滅してしまう前に、大切な機微をスプーンですくうように愉しんでいただけたら幸いです。Publisher H.I


vol.2_ 2022.1 artwork 遠藤拓人
WAIHEKE ISLAND「サバイブ』芹沢絵美 ヴァイングローワー/KYOTO「人生相談・77歳の父との関係で悩んでいます。40代女性」クレレナ/PRAHA「裏通世界へようこそ」山本もえ美 画家/#1 OLD DREAM「ツアー」遠藤拓人 Illustrator

活字は時代を映す鏡。なんて言い方をよく耳にします。私はそうは思いませんが。ところで皆さんは、遊園地のどこかで極端に歪んで映る鏡を知っていますか? 人気はなかったのですが、縦横に変形する大きな仕掛けマジカルミラーが、やたら痩せこけたり、太っちょになった自分の姿を見せつけます。今あれを見て、これは私の姿ではないと思えるでしょうか。これも私だ。と言える人は13Fの読者に向いている気がします。Editor in Chief  S.O

13Fは人にふいを喰らわせるようです。その証に、読んだはいいけれど何とコメントしていいかわからず言葉につまる。沈黙する。だから13Fは、そっとなくなってゆく。そっとそっとが連なり何百枚も重なる新聞は配布から数日で渋谷の一角からなくなりました。その始終を幸運にも目撃した私は、一見とるにたらない機微こそオモシロイネと教えられ、渋谷の巨大ビルに無数に切り取られた窓灯りの数だけ、涙や笑いがあることを知りました。Publisher H. I

vol.3_ 2022.4 artwork 遠藤拓人

NEW YORK「Alex」シー鈴木聖子 ナレーター・声優/WAIHEKE ISLAND「写真に納まらない夢の島」芹澤絵美 ヴァイン・グローワー/PRAHA「ウクライナとチェコとロシアと私」山本もえ美 画家/REDWOOD CITY「India Pale Ale」Nozzy メーカー勤務/SEOUL「秘密と過密」ohsummer エンターテーメント会社SAGAMIHARA「東京ドリーマー」柳明菜 映画監督/SAYONARA COMIX #3 OLD DREAM 「並行世界の家族たち」遠藤拓人 Illustrator

 

NYのAlexが手のひらを陽光に透かし生命を謳歌しはじめる頃、相模原では完成されない映画に想いを馳せチーズ抜きのハンバーガーを子どもがかじる。2022222。恋人の予言どおり戦火は勃発しハンガリーにいるロシア人学生のもとに退学通知が届く。西海岸ではスーパーのレジでクラフトビールを買い込む東洋人の背にガタイのいい黒人の影が迫る。同じ頃、ワイヘキ島の海岸線を魚を掴んだ男が片手運転で疾走する。映える写真をいつも撮り逃したまま。海の向こう朝鮮半島では父と子がそれぞれ別にルーツを求め彷徨う。しかし頼りのキムさんは決して現れない。13Fの鼓動は止まない。Editor in Chief S.O

記事依頼をする時「自分の中にある小さな葛藤を書いてほしい」と私は声を掛ける。自分を大きく素晴らしく見せるものは溢れ、時に肥大化し、容赦なくその人自身をも呑み込むけれど、自分の小ささ、大事な人の小ささを見せてくれるものは少ない。「そんな裸になるようなコト!」という声もあろうが、それでも私は裸になりたいし、そうして言葉を紡ぐ人の勇気に寄り添いたい。小さなものの強さはなんといっても約束などなしに会えることそうvol.3でも遠い誰かの零した声があなたをノックしたでしょ?Publisher H.I

vol.4 _2022.9 artwork タムラフキコ

TOKYO「ゆで卵」矢内原美邦 演出・振付家/WAIHEKE ISLAND「サバイバル強化計画」芹澤絵美  ヴァイン・グローワー/NEW YORK「対人恐怖症の余韻」シー鈴木聖子 ナレーター・声優/PRAHA低空飛行」山本もえ美 画家/SEOUL「オタ活のススメ」ohsummer / エンターテーメント会社/RED WOOD CITY「代用肉日記」Nozzy メーカー勤務SAYONARA COMIX #4「テッテッテ」タムラフキコ/Illustrator

 

あなたは嫌われている。言葉は少女は揺らし、それからの人生を支え続ける。疲れ果てた画家は底辺の感触をつま先で確かめながらアカデミー生活を終える。疲弊と無気力は海を渡り半島にたどり着く。日常で反復するだけの怠惰はオレンジの陽光で焼かれ人を巻き込む力となって再生される。その頃、秘かに病室でキャンプ生活を始めた少女が息を殺しながら祖父の死に寄り添う。指先は七分半ボイルした卵のおかげで熱を失わない。私たちは日常と非日常を渡り歩きながら生涯を終える。大きな渦に対峙する女の行動は決して満たされない。人や物が代用されるSF小説の時代設定を私たちはとっくに通過している。これから先の物語の結末を誰も書いてはいない。Editor in Chief S.O

月三、四回、新大久保にある韓国人ホテルの1Fでカフェ店員をしている。勤務は6時−11時。朝まで飲んでそのままモーニングにくるホスト、24Hエステ勤務のアジュマ一行、ハローワーク通いの若者、老舗チャイニーズ店のシェフ、家が近所の東大生。彼らは私の淹れたコーヒーを沈黙してすする日もあれば、水ばかり飲む日、アパートの屋根が落ちた話をしてくれる事もある。13Fに集まる記事をまっさきに読み、記者たちとやりとりを繰り返す私は号を重ねるにつれ、彼らの毛細血管のような、時に本人すら知らない場所に入り混んでいることに気づく。怖くなる。勇気をもらう。そんな私しか知らない場所、ホントに存在する? 怪しんでもみたけれど13F こそ、そこでした。エデン! Publisher H.I

 

vol.5_2023.1 artwork タムラフキコ

SEOUL「クラス」ohsummer エンターテーメント会社/TOKYOも」矢内原美邦 演出・振付家WAIHEKE ISLAND価値と存在理由」芹澤絵美  ヴァイン・グローワー/SAITAMA「セブン、サイゼ、チーキョフ」齊藤幸子  写真家/PRAHA「数奇なものへの情熱」山本もえ美 画家/RED WOOD CITYアメリカで焼き芋」Nozzy メーカー勤務/Sagamihara「シャインマスカットの後先」柳明菜 映画監督/SAYONARA COMIX #5「季節の裂け目」タムラフキコ Illustrator

記事が寄り添って『13F』が出来るのと引き換えに、私たちは散り散りに生きている。13Fも。それに関わった人も。葉っぱと同じでずっと残ることはないけど、樹木が変化を繰り返しながら持続していくように、どこかしらに何かしらがわずかに繋がり続ける。途絶えない理由はよく分からない。理由などないのかもしれない。ともかく。本来ならバラバラの体裁を忘れた情熱が、紙一枚の表裏にぶち込まれている。Editor in Chief S.O

真夜中、鏡に映った自分の顔にあってはならない醜きものを見つけて恐ろしくなることがあるが、ここに綴られたものを読んでいても同じことを感じる。ただ鏡と違うのは、それが誰かを救うものだと思わせてくれることだ。私の手に留めてはいけない、その爆発的何かに、私は原稿の書かれた紙が石に見える。川石の傷、墓石の名のようにここに刻まれたものは私に刻まれ、雨風にさられながら歩んでゆく。Publisher H.I

vol.6_2023.4 artwork タムラフキコ

HONG KONG「打小人が通る」塚田直美 ランジェリーデザイナーSHANGHAI「小さな心の器の中」伊豫田修之祥 シェフSEOULサツマイモな夜」 ohsummer エンターテーメント会社WAIHEKE ISLANDワインデザイン」芹澤絵美  / ヴァイン・グローワーKYOTO「頬よせてHonolulu」緒方修一 装丁家・本紙編集長PRAHA「あるぼんやりした感覚について」山本もえ美 画家RED WOOD CITY東アジア人 in カリフォルニア」Nozzy  メーカー勤務NAGOYA「レモンティ」山本洋平 自動車開発者KOSHIGAYA「青年の全裸集団行動問題について」佐藤雅和 音楽制作会社代表SEOUL〈常数〉で〈変数〉の恋」Ohsummer  エンターテーメント会社勤務SHIBUYA「バイト探し」伊勢華子 作家・本誌発行人SAYONARA COMIX #6 タムラフキコ

vol.7_2023.9 artwork ヒロミチイト

BRISBANE「昼と夜が入れ替わる瞬間」山本佐江子SHIBUYA「バードストライク」エイコ オークニー / ラジオディレクターSUMID「そんな顔、あんな顔 加藤愛梨  We are Buddies 代表SEOUL「姉さん、事件です」 ohsummer / エンターテーメント会社WAIHEKE ISLAND家の取説」芹澤絵美  ヴァイン・グローワーCHIBA「視界1メートルの宇宙船」マスリラ / イラストレーターRED WOOD CITY恐怖の比較文化論」Nozzy メーカー勤務KAMAKURA不便の味」西角綾夏 会社員YOKKAICHIとおくのこえ」ヒロミチイト イラストレーターCHIGASAKI親の子知らず」篠田なつき 会社員SETAGAYA「救急車のあとさき」イボンヌ 編集者渋谷キャスト6周Special 13F ポップアップ編集室に寄られた〈あなたの小さな事件〉全掲載SAYONARA COMIX #7

vol.8_2024.1 artwork ヒロミチイト

SHIBUYA「虜の味」吉野裕美子 ライオンシェア代表/WAIHEKE ISLAND 「ジェイゴの剪定」芹澤絵美  ヴァイン・グローワー/ASAKUSA「ネタあります」寄席芸人/OSAKA/「ボーナスをもらわない人生」つき山いくよ 画家/SEOUL「スパ気分」ohsummer エンターテーメント会社/RED WOOD CITY九郎判官義経が残したものNozzy メーカー勤務/YOKKAICHI「ぼくらのシビれる午後」ヒロミチイト イラストレーター/NAGOYA「ぼくを無効にする夜」山本洋平 自動車開発者

 

 

 

bottom of page